1日で売上高1.8兆円という莫大な数字をたたき出した中国「独身の日」。前回はモバイル経由の流通額や国別の越境EC売り上げの順位などをお伝えいたしました。今回は「独身の日」の詳細データと2014年のデータを比較することで見えてくる中国の越境EC市場の変化について検証します。

3000万人が越境ECで商品を購入

「独身の日」に、Tmallの越境EC専門モール「Tmallグローバル」ではこれまでにない2つの記録を樹立しました。

1つは232の国と地域への販売を実現したこと。もう1つは、3000万人が越境EC関連の商品を購入したということです。

この数字は日本のネット通販人口の約半数。わずか1日でこの人数が購入したのです。なかでも日本の商品は売上順で国別2位のため、多くの消費者が日本の商品を購入したと考えられます。

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中国からの越境ECでは米国に次いで2位に

売れ筋カテゴリー1位はベビーマタニティーで約30%の売上比率

越境ECで売れた商品をカテゴリー別に見てみますと、

  • 1位 ベビーマタニティー
  • 2位 化粧品
  • 3位 健康食品
  • 4位 生活用品
  • 5位 アパレル

なかでも、ベビーマタニティーは越境ECの売り上げの内30%を占め、海外からベビーマタニティー用品を買いたいというニーズが高いことが見受けられます。

さらに、中国では2015年末、一人っ子政策を廃止し、今後は夫婦1組につき子供2人まで持つことが全面的に許可されるようになりました。そのため、今後はベビーマタニティー商品の越境ECマーケットが広がることは確実でしょう。オムツなどはもちろんですが、データを見ていると離乳食も動いており、食の安全性で販売が伸びていることが伺えます。

化粧品などは有名ブランドが好調で、ノンブランドの化粧品はまだあまり動いていないのが実情。売れ筋カテゴリーを見てもなんとなくわかるのですが、消費者の70%は、女性で日本で言うF1層に近い「23歳から35歳」です。

店舗別では今回、事前注文などを含めて1億元(約20億円)販売した店舗もあります。2億円を超えた店舗は数十店舗。具体的な数字はでていませんが、リサーチ結果によると、今回の「Tmall グローバル」の売上金額は他の越境ECモールの1年分に相当する金額で、現状の越境EC 市場では圧倒的に「Tmall グローバル」がトップだと言えます。

新疆ウイグル自治区や海南島からも注文が拡大

さらに注文地域でも今回大きな変化が起きました。

これまで越境ECの商品が売れる地域は都市部が中心でした。今回は、新疆ウイグル自治区や海南島などといった、これまで消費地域と考えていなかった地域でも売り上げが伸びていることがデータを見て判断できます。

これは中国全体がマーケットとして動き出していたことを意味しています。所得、嗜好が変化し、ネットでの購入という購入方法もスイッチしてきているということです。

この傾向は今後の中国マーケットにおいて大きな第1歩であり、変換期のスタートになるかもしれません。

※この記事は(株)インプレス様のネットショップ担当者フォーラムに掲載したものを許可を得て掲載しています。
元記事:なぜ1日で1.8兆円も売れたのか? 中国「独身の日」のデータを分析してわかったこと

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著者:高岡 正人

株式会社エフカフェ 取締役

1975年生まれ。立命館大学政策科学部卒。コンサルティングファームにて企業変革コンサルティングを経て、2005年有限会社フリースタイルカフェ(現エフカフェ)の創業に参画。取締役に就任。

日本、中国、ASEANでネット通販事業に特化したコンサルティング、運営支援を行い、1カ月の半分を中国・上海で過ごす。

銀行等での講演多数。また日経ネットマーケティング等で執筆。最近では銀行等の海外支援事業部と連携し、日本からアジアへのネット通販進出を支援している。